引っ越したばかりなのに、前の住人の郵便物が届くことはありませんか?「自分には関係ないから捨ててもいいのか」「郵便局へ持っていく必要があるのか」と迷う方も多いでしょう。
前の住人宛ての郵便物は、基本的に開封せず、誤配達であることを郵便局へ知らせるのが正しい対応です。この記事では、付箋を貼って返送する方法、何度も届く場合の対処法、間違って開封したときの対応、宅配業者から届いた荷物との違いまでわかりやすく説明します。
前の住人の郵便物が届くときは捨てずに郵便局へ知らせる

前の住人宛ての郵便物が自宅のポストに入っていた場合、現在の住人が前の住人を探して届ける必要はありません。日本郵便が配達したものであれば、誤配達であることを日本郵便へ知らせれば対応してもらえます。
一番簡単なのは、「宛名人は現在この住所に居住していません」などと書いた付箋を郵便物に貼り、郵便ポストへ投函する方法です。
付箋を貼って郵便ポストへ投函する
日本郵便は、他人宛ての郵便物が配達された場合、郵便物の表面に誤配達である旨を書いた付箋などを貼って郵便ポストへ投函する方法を案内しています。
付箋には難しい文章を書く必要はありません。たとえば、以下のような内容で十分です。
誤配達です。宛名の方は現在この住所に居住していません。
「転居済み」「この住所には住んでいません」など、郵便局の担当者が状況を理解できる表現であれば問題ありません。郵便物そのものに大きく書き込むより、付箋やメモを貼るほうがわかりやすいでしょう。
日本郵便の公式案内でも、誤配達であることを表示したうえで郵便ポストへ投函する方法が示されています。詳しくは日本郵便「他人あての郵便物が届きましたが、どうしたらいいのでしょうか?」で確認できます。
最寄りの郵便局へ持っていく、または連絡する方法でもよい
郵便ポストへ入れる以外に、最寄りの郵便局へ持ち込んで「前の住人宛ての郵便物が届いた」と伝える方法もあります。郵便局へ行く機会がある場合はこちらでも構いません。
郵便物が何通も届いている場合や、返しても繰り返し配達される場合は、1通ずつポストへ戻し続けるより、配達を担当する郵便局へ連絡したほうが解決しやすい場合があります。
日本郵便は、前の住人宛ての郵便物や荷物が届くケースについて、居住地域の配達を担当する郵便局へ連絡するよう案内しており、必要に応じて社員が訪問するなどして居住確認を行うことがあります。
郵便局以外が配達したメール便や荷物は郵便ポストへ返さない
注意したいのは、住所と氏名が書かれているものがすべて「郵便物」とは限らないことです。封筒などに「これは郵便物ではありません」「○○メール便」と書かれている場合、宅配会社や配送会社が扱っている配送物である可能性があります。
日本郵便以外の会社が配達したものを郵便ポストへ投函して、日本郵便に返送してもらうことはできません。その場合は、封筒や荷物に表示されている配送会社へ連絡してください。
| 届いたもの | 基本的な対応 |
|---|---|
| 日本郵便が配達した郵便物 | 誤配達の付箋を貼って郵便ポストへ投函、または郵便局へ連絡 |
| ゆうパックなど日本郵便の荷物 | 受け取らず、配達員や郵便局へ前の住人宛てであることを伝える |
| 宅配会社の荷物・メール便 | 記載されている配送会社へ連絡する |
| 宛名のないチラシ | 特定の個人宛てではないため、通常の広告物として扱う |
前の住人の郵便物が届くのはなぜ?考えられる原因

新しい住人が入居しているのに、なぜ前の住人宛ての郵便物が届くのでしょうか。単純な配達ミスだけではなく、前の住人側の転居手続きや、差出人が登録している住所が更新されていないことなど、複数の原因が考えられます。
前の住人が転居届を出していない可能性がある
日本郵便には、旧住所宛ての郵便物などを新住所へ転送する「転居・転送サービス」があります。転居届を提出すると、原則として届出日から1年間、旧住所宛ての郵便物等が新住所へ無料で転送されます。
前の住人が転居届を提出していなかったり、転居情報が適切に登録されていなかったりすると、郵便物が以前の住所へ届いてしまう可能性があります。
ただし、現在の住人が前の住人の代わりに転居届を提出する必要はありません。転居届は本人確認を伴う手続きです。現在の住人がするべきことは、「その人は現在ここに住んでいない」と郵便局へ知らせることです。
差出人が古い住所を登録したままになっている
銀行、保険会社、通販会社、会員サービス、以前勤務していた会社などが前の住所を登録したままにしているケースもあります。その会社が古い顧客情報を使って郵便物を発送すれば、宛先には以前の住所が印刷されます。
そのため、郵便物を1通返しただけでは、別の会社から再び前の住人宛ての郵便物が届くことがあります。「返したのにまた届いた」という場合でも、必ずしも同じ原因とは限りません。
特に前の住人が長期間住んでいた物件では、住所を登録している企業やサービスが多く、入居直後は複数の差出人から郵便物が届く可能性があります。
転居届には1年間の転送期間がある
日本郵便の転居・転送サービスの転送期間は、現在の案内では届出日から1年間です。転送開始希望日から1年間ではない点には注意が必要です。
通常、転送期間が終了した後に日本郵便が転居を把握している郵便物は差出人へ返還されます。ただし、差出人側の住所情報が更新されないままだったり、居住情報が十分に確認できていなかったりすると、前の住人宛てのものが届く問題が続くことも考えられます。
日本郵便の転居サービスについては日本郵便「転居・転送サービス」で最新の条件を確認できます。
「転送不要」の郵便物もある
銀行などから届く重要な郵便物には「転送不要」と表示されていることがあります。転送不要とは、差出人が「その住所に本人が住んでいなければ転送せず返してほしい」という条件を付けている郵便物です。
そのため、前の住人が転居届を提出していたとしても、転送不要の郵便物は新住所へ転送されません。本来は受取人が居住していないことが確認できれば差出人へ返されるものなので、現在の自宅に届いた場合は通常の誤配達と同様に郵便局へ知らせるのが適切です。
前の住人の郵便物は捨てる・放置する・勝手に開けるのは避ける

何度も前の住人の郵便物が届くと、「もう捨ててもいいのでは」と感じるかもしれません。しかし、他人宛ての郵便物を自己判断で処分するのはおすすめできません。郵便物には重要な書類が含まれている場合があり、法律上の問題につながる可能性もあります。
そのままゴミとして捨てない
自宅の郵便受けに入っていたとしても、前の住人宛ての郵便物が現在の住人の所有物になるわけではありません。契約関係の書類、請求書、行政関係の通知など、受取人にとって重要な内容が含まれている可能性もあります。
郵便法第42条では、誤配達された郵便物を受け取った人は、誤配達であることを表示して郵便ポストへ入れるか、その旨を日本郵便へ通知することが定められています。
「自分宛てではないから捨てる」のではなく、誤配達として返すのが安全で確実です。
面倒でも長期間ため込まない
すぐ郵便局へ行けないからと、一時的に保管してしまうことはあるでしょう。ただし、そのまま何か月も忘れてしまうのは避けたほうがよいです。
刑法には他人の信書を隠匿する行為に関する規定もあります。単に数日置いてしまっただけで直ちに犯罪になるという意味ではありませんが、返すべき郵便物を意図的に隠したり、受取人へ届かない状態にしたりする行為は問題になる可能性があります。
届いたことに気付いた時点で付箋を付けてポストへ戻しておけば、余計なトラブルを抱える必要がありません。
中身が気になっても故意に開封しない
名前は前の住人でも住所は自分の家なので、「何が届いたのか確認したほうがいいのでは」と思うことがあるかもしれません。しかし、現在の住人が内容を確認する必要はありません。
刑法第133条には、正当な理由なく封をしてある信書を開ける行為について規定があります。他人宛てだとわかっている封書を、興味本位で故意に開封するのは避けてください。
特にクレジットカード会社、金融機関、役所、病院、法律事務所などから届いた郵便物であっても、現在の住人が内容を確認する必要はありません。重要そうに見えるものほど、開けずに郵便局へ返すのが適切です。
前の住人の郵便物を間違って開封してしまった場合の対処法

自分宛ての郵便物だと思い込み、名前を確認せず開けてしまうこともあります。故意に開けたわけではない場合は、隠したり捨てたりせず、気付いた時点で日本郵便が案内する方法に沿って対応することが大切です。
まず郵便物を補修する
封筒を誤って開けた場合は、内容物を元に戻し、開封した部分をテープなどで補修します。書類を抜き取ったままにしたり、破れた状態のまま放置したりしないようにしましょう。
内容物を必要以上に読んだりコピーしたりする必要もありません。誤開封に気付いたら、そこで確認をやめて元の状態に近づけることを優先します。
「誤って開封したこと」と自分の氏名・住所を表示する
日本郵便は、誤配達された他人宛ての郵便物を誤って開封してしまった場合、郵便物を補修したうえで、誤って開封したこと、開封した人の氏名と住所または居所を表示するよう案内しています。
付箋などには、たとえば以下のように記載できます。
誤配達された郵便物を、自分宛てと勘違いして誤って開封しました。住所:○○県○○市○○ 氏名:○○○○
そのうえで郵便ポストへ投函するか、最寄りの配達郵便局などへ連絡します。詳しい対応は日本郵便「他人あての郵便物を誤って開封してしまいました」でも案内されています。
誤開封したことを隠そうとしない
間違って開けてしまうと、「怒られるのではないか」と心配になり、何も書かずに封を閉じて返したくなるかもしれません。しかし、日本郵便の公式な手順では誤って開封したことを表示することになっています。
自分宛てだと思って開けたケースと、他人宛てだと認識しながら故意に開けるケースは状況が異なります。うっかり誤開封したのであれば、事実をそのまま表示して速やかに返すほうが適切です。
前の住人の郵便物が何度も届く場合は配達担当の郵便局へ連絡する

1、2通であれば付箋を貼ってポストへ返せば対応できますが、毎週のように届く場合は負担になります。何度返しても同じ名前の郵便物が届くなら、配達を担当している郵便局へ一度連絡する方法が効率的です。
「現在の居住者は誰か」を郵便局に伝える
日本郵便は、前に住んでいた人宛ての郵便物や荷物が届く場合、住んでいる地域の配達を担当する郵便局へ連絡するよう案内しています。その際、社員が訪問するなどして居住確認が行われる場合があります。
連絡するときは、「○月からこの住所に住んでいるが、○○という前の住人と思われる人宛ての郵便物が繰り返し届いている」と伝えれば状況を説明しやすくなります。
公式案内は日本郵便「前に住んでいた住人あての郵便物や荷物が届くのですが、どうすればいいですか?」で確認できます。
郵便受けに現在の姓を表示する方法も補助的には有効
集合住宅などで部屋番号だけを確認して配達される可能性が気になる場合は、郵便受けに現在住んでいる人の姓を表示しておく方法もあります。配達時に名前を確認しやすくなるため、誤配防止の補助にはなります。
ただし、防犯やプライバシー上の理由から名前を表示したくない人もいるでしょう。表札を出すことが絶対条件というわけではありません。名前を出したくない場合は、郵便局へ直接居住状況を知らせる方法を選べます。
管理会社への連絡だけでは郵便配達の登録が変わるとは限らない
賃貸住宅では「前の住人のことだから管理会社に言えばよい」と考えがちです。管理会社へ相談すること自体は問題ありませんが、管理会社と日本郵便は別の組織です。
管理会社が前の住人の退去を知っていたとしても、その情報が自動的に郵便局へ共有されるわけではありません。そのため、前の住人宛ての郵便物を止めたいという目的なら、配達を担当する郵便局へ直接知らせるほうが実用的です。
ただし、郵便物以外にも前の住人宛ての荷物や訪問が続いているなど、入居者情報に関する問題が重なっている場合は、管理会社や大家へ状況を共有しておく意味があります。
宅配便・重要書類・前の住人宛て荷物が届いたときの注意点

「前の住人宛て」といっても、普通の手紙だけとは限りません。宅配便、不在票、書留、カード類と思われる封筒などが届くこともあります。配送方法によって対応先が異なるため、まず誰が配達したものかを確認しましょう。
対面で前の住人宛ての荷物を渡されそうになったら受け取らない
宅配便やゆうパックを配達員から手渡される際に、前の住人の名前だと気付いた場合は、「その方は現在ここには住んでいません」と伝え、受け取らないのがわかりやすい対応です。
自分宛てではない荷物を善意で受け取って保管すると、その後に配送会社への説明や回収対応が必要になり、かえって手間が増える場合があります。代引きであれば、当然ながら前の住人の代わりに代金を支払う必要もありません。
置き配された宅配便は配送会社に回収を依頼する
最近は置き配が増えているため、玄関前に前の住人宛ての荷物が置かれていることも考えられます。その場合は、送り状に書かれている配送会社を確認して回収を依頼します。
たとえばヤマト運輸では、前の住人など他人宛ての荷物が配達された場合、現在の居住者から回収を依頼できる案内があります。配送会社ごとに受付方法が異なるため、それぞれの公式窓口を利用してください。
日本郵便が配達していない宅配便やメール便を、郵便ポストへ入れて返そうとしないことが重要です。
不在票が前の住人宛てなら再配達を依頼しない
前の住人宛ての書留や荷物について不在票だけが入っている場合、現在の住人が再配達を申し込んで受け取る必要はありません。配達会社へ「この人は住んでいない」と連絡すればよいでしょう。
本人確認が必要な郵便物の場合も、現在の住人が受取人になることはできません。重要そうな書類だからといって代理で受け取り、後から前の住人へ渡そうとする必要はありません。
前の住人の郵便物について迷いやすいケース

基本は「開けずに返す」で解決できますが、実際には判断に迷う場面もあります。よくあるケースごとに整理しておくと、毎回悩まずに対応できます。
同じ前の住人宛ての郵便物が何十通も届く場合
大量に届く場合は、すべてを長期間自宅で保管するより、配達担当の郵便局へ連絡してください。「同じ人物宛てが継続している」と伝えることで、単発の誤配ではなく居住情報の確認が必要なケースだと伝わりやすくなります。
同じ会社から何度も届いていることが明らかな場合、その差出人へ「この住所にその方は居住していません」と知らせる選択肢もあります。ただし、現在の住人に前の住人の住所変更手続きをする権限はないため、新住所を推測したり登録変更を依頼したりする必要はありません。
前の住人と連絡が取れる場合でも直接渡さなければならないわけではない
知人から借りた部屋などで、前の住人を知っているケースもあるでしょう。その場合に本人へ知らせること自体は考えられますが、通常の賃貸住宅で見知らぬ前住人を探す必要はありません。
住所や勤務先を調べて届けようとすると、現在の住人に余計な負担がかかるうえ、個人情報をめぐる別のトラブルにもつながりかねません。郵便局へ返す仕組みが用意されている以上、それを利用するのがシンプルです。
自分の郵便物まで返されないか心配な場合
前の住人が住んでいないことを郵便局へ知らせる際は、現在の居住者の氏名も伝えておくと状況を整理しやすくなります。特に名字が同じ前住人だった場合や、同居人が複数いる場合は、誰が現在居住しているのかを正確に説明することが大切です。
単に「この住所への郵便を止めてください」と伝えるのではなく、「○○さんは住んでいない。現在は△△が居住している」と区別して伝えることで、自分宛ての郵便物まで誤って返還されるリスクを減らせます。
前の住人の郵便物が届くなら開けずに返し、繰り返す場合は郵便局へ連絡しよう
前の住人の郵便物が届く場合は、捨てたり中身を確認したりせず、「宛名人は現在この住所に居住していません」などと書いた付箋を貼って郵便ポストへ投函するのが手軽な対応です。郵便局へ直接持ち込んだり、配達担当局へ連絡したりする方法でも構いません。
何度も届く場合は、1通ずつ返し続けるだけでなく、配達担当の郵便局へ現在の居住状況を知らせるとよいでしょう。前の住人の転居届を代わりに出したり、本人の転居先を探したりする必要はありません。
間違って開封した場合は、郵便物を補修し、誤って開封したことと自分の氏名・住所を表示して返します。宅配会社のメール便や荷物であれば日本郵便ではなく、その配送会社へ連絡します。「誰が配達したものかを確認し、開けずに正しい配送事業者へ返す」と覚えておけば、多くのケースで迷わず対応できます。



